2022
05/03

Webデザイナーからフロントエンドエンジニアに職種変更しての雑感

連休の谷間なのでちょっとゆるい文章でも。

Web業界ではWebデザイナーからフロントエンドエンジニアへのルートがステップアップとされる風潮があると思いますが、果たしてこのルートはステップアップと言えるのでしょうか。
私自身がこのルートを辿ることになってしまいましたので、現時点で思っていることを書いておきます。

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私のキャリアについて

10年ほど請負のWebサイト制作を担当し、3年ほど前にWebアプリのフロントエンド担当となりました。
提供しているアプリケーションはLaravel + Vue.jsの構成でVue部分を担当しています。

Web制作は昔ながらのHTMLによる制作だったので「ホームページ制作代行」と呼ぶほうが自分でもしっくりきます。
デザインのクオリティで勝負をすることが難しかったため(デザインの良し悪しなんて結局人の好みだし…ということにしておきましょう)、誰にでも凄みが伝わりやすいアニメーションを積極的に取り入れていました。そのときに培ったJavascriptの知識がバレてしまい、部署異動を命じられて今に至ります。

Webサイト制作とWebアプリケーション開発の違いについて

終わりがない・納品がない

Webサイト制作は作る側からすると、公開にこぎつければその後の保守はあるとはいえとりあえずは一段落です。
しかしWebアプリは作業の一段落はあってもサービスを提供し続ける限りは永遠に終わりません。たとえばメルカリのエンジニアは延々メルカリの開発をやっているわけで、楽天市場の開発をやりたいといっても転職しない限りはできません。

よく「0から1にすることと1から10にすること、10を維持し続けることは全部違う技能」と言われますが、0から1にすることが好きなタイプの人だとWebアプリケーション開発と運用は辛い業務となるかもしれません。逆に1つのことに注力して数年~数十年取り組むことができるような人は、手離れのよいWebサイト制作よりも向いていると思います。

裁量の幅が狭い

提供するアプリケーションの内容にもよりますが、大抵の場合はWebサイトよりもWebアプリのほうが複雑で規模も大きくなります。
そうなると関わる人員も増え、たとえば使いたいプラグイン一つとっても自由に導入できないことがあります。フレームワークの変更などは開発を1からやり直すことに等しく、リリース済みのアプリではまず許されません。

Webサイトの場合は案件単位で環境を大きく変えることもやりやすいため、「前回はThree.jsを使ったから今回はGSAP使ってみるか」といったことが容易にできます。

新しいものをどんどん取り入れたいような人はWebアプリ開発は不向きでしょう。

スキルの伸び悩み

Webアプリ開発は多種多様な技術を導入するというより、業務で使っている1つの技術に深化していくことになります。
私の場合は職種変更から現在に至るまでVueしか使っておらず、確かにVueの理解は進んだもののスキルの幅は狭くなったなと感じています。Vue使えます!と胸を張れるレベルでもないのがさらに辛い…。

Webサイト制作で得られる技術は浅いかもしれませんがその分幅が広く、Webサイトを作りたい事業主さえいれば仕事が成り立ちます。そういう意味では「潰しが利く」と言えるかもしれません。

デザインスキルの低下

(もともとデザインスキルはあんまりなかったものの)Webアプリ開発では画像を加工してキービジュアルを作ってバナーを作って…ということはまずありません。デザイン要素と言っても配色やボタンのアイコン程度で、それらもBootstrapなどCSSフレームワークを使えばクラスを足していくだけの作業になります。
ボタンのデザインよりも「そのボタンをクリックしたときにどういう処理を動かすか」を書くことがメインの業務となるため、デザインをする機会はなくなり、場数を積むことができずにデザインスキルが年々低下していくということになります。

もちろんフロントエンドエンジニアだからサイト制作をやってはいけないということはありませんが、主業務ではないのでちょっとした手伝い程度のことしかできません。
正直、「2022年のWebデザイントレンド」みたいな他ブログの記事は全然読まなくなってしまいました。

まとめ

SNS(特にTwitter)でよく見る「駆け出しエンジニア」ですが、Web系のフロントエンドはそこまで楽しく成長できる恵まれた環境というわけでもないですよ、とお伝えしたいと思ってました。もちろんWebデザイナーも楽しいことばかりではありませんが。

ないものねだり、隣の芝は青い、ということかもしれませんが、フロントエンドエンジニアやWebエンジニアよりWebデザイナーのほうが仕事の幅も広いし新しいことにチャレンジしやすいし楽しいんじゃないかなぁ、と現時点では思います。

※ここで言う「Webデザイナー」はコーディングと簡単なJavascriptは自分で書くタイプのWebデザイナーを指します。

だからと言って「駆け出しデザイナー」が流行り始めても複雑な気持ちになりますがw

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