2020
01/20

クラウドストレージサービスにアップロードしたファイルの検閲や削除は行われるのかについて利用規約を読んでみる

宅ふぁいる便の代替して注目されたギガファイル便というサービスのファイルに対する扱いの規約がアバウトなため、「勝手にファイルを覗き見られるのでないか」「勝手にファイルを消されるのではないか」という疑念があるということをツイッターで見かけました。

しかし「公序良俗に反するファイルは勝手に消す」という条項は大体どのサービスでも入っているのでは?と思いましたので実際にどうなのか代表的なクラウドストレージサービスの規約について調べてみました。

このようなサービスを使うにあたり気になるのは

・ファイルを勝手に削除されることはあるのか
・勝手にファイルを盗み見られることはあるのか

という点だと思いますので、この2点について触れている条項を引用しています。

ADs

Google Drive

https://policies.google.com/terms

本サービスのご利用
Google は、コンテンツが違法か否か、または Google のポリシーに違反しているか否かを判断するために、コンテンツをレビューすることができます。さらに、Google は、そのポリシーまたは法律に違反していると合理的に判断したコンテンツを削除したり、その表示を拒否することができます。

OneDrive

https://www.microsoft.com/ja-jp/servicesagreement/

本サービスの使用およびサポート
Microsoft アカウント
ii. アカウントの使用

年に 1 回もサインインがなければ、マイクロソフトはお客様の Outlook.com の受信トレイおよびお客様の OneDrive をお客様に代わって停止します。

倫理規定
b. 強制執行

また、マイクロソフトは、本規約を強制するための取り組みの一環として、本サービスからの通信または本サービスへの通信 (電子メール、ファイル共有、インスタント メッセージなど) をブロックすることもでき、さらに、理由の有無を問わず、お客様のコンテンツを削除し、または公開を拒否することができます。申し立てられた本規約の違反について調査する場合、マイクロソフトは問題を解決するためにお客様のコンテンツを審査する権利を留保し、お客様は当該審査を許可するものとします。

OneDriveは年に1度はログインしないとアカウントが停止されるということを今回はじめて知りました。
アプリをインストールしている場合は常時ログインしていると判定してくれると思いますが、ブラウザのみで使用しているような場合は気をつけたほうがいいでしょう。

Amazon Cloud Drive

https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=200954720

3 本サービスの利用
3.3 本サービスの提供に伴うアマゾンのお客様ファイルの利用

アマゾンは、本サービスを提供し、また、本利用規約を行使するために、お客様ファイルを使用、保管、またはこれにアクセスする場合があり、お客様はアマゾンに対してこれらの行為に必要な許諾をするものとします。

Box

https://www.box.com/ja-jp/legal/termsofservice

著作権に関する苦情及び削除方針
Boxは、他者の知的財産権を尊重し、法律に従った著作権侵害の申立てに対応します。弊社は、著作権法又は本規約に違反しているとされるコンテンツを削除又は無効にする権利を有し、違反者のアカウントを解除する権利を留保します。

Firefox Send

https://www.mozilla.org/ja/about/legal/terms/services/#send

8.有効期間;終了
Mozilla は、理由の如何を問わず、いつでも、皆様の本サービスへのアクセスを一時停止または終了できるものとします。これには、Mozilla が、(i) 皆様が本規約に違反している、(ii) 皆様が Mozillaに対し、リスクや法的な請求を受ける可能性を生ぜしめている、または (iii) Mozilla が皆様に本サービスを提供することが商業的に不可能である、と合理的に判断する場合が含まれますが、これらに限られるものではありません。

10.免責条項;責任制限
皆様は、目的に応じて本サービスを選択すること、ならびに本サービスの品質およびパフォーマンスについて、すべてのリスクを負うものとします。これには、皆様のコンテンツが削除または破壊されるリスク、あるいは誰かが皆様のオンラインアカウントにアクセスするリスクを含みますが、これらに限定されるものではありません。

Adobe Creative Cloud

アプリに比べると影が薄い(と個人的には思っている)サービスですが、コンプリートプランの場合100GBのストレージを提供しています。
https://www.adobe.com/jp/legal/terms.html

6.ユーザーの行動基準
6.1 責任ある使用 アドビコミュニティは多くの場合、ある程度の礼儀とプロ意識が期待されるユーザーで構成されます。お客様は、本「サービス」および「ソフトウェア」を責任を持って使用する必要があります。
6.2 不正使用 お客様は、「サービス」または「ソフトウェア」を不正使用しないでください。例えば、決して以下を行わないでください。

(a)本「サービス」または「ソフトウェア」を、コピー、変更、ホスト、ストリーム、サブライセンス、または再販する。
(以下略)

12.調査
12.1 スクリーニング アドビは本「サービス」または「ソフトウェア」にアップロードされたすべてのコンテンツをレビューしませんが、利用可能な技術、ベンダーやプロセスを用いて特定の種類の違法なコンテンツ(例えば、児童ポルノ)またはその他の不正な動作(スパムやフィッシング詐欺を示す行為パターン、成人向けコンテンツがアダルトウォールの外に掲載されていることを示すキーワードなど)をスクリーニングすることがあります。

Dropboxとほぼ同等の使い方できますが、違法や公序良俗に反するコンテンツは監視や削除を許容する規約となっています。

EverNote

https://evernote.com/intl/jp/privacy/policy

サービス利用規約 またはユーザガイドラインに対する違反(まとめて「サービス利用規約違反」といいます)の疑いを発見した場合は、弊社は問題となる素材が削除されるまでユーザのアカウントを一時停止または閉鎖する可能性があります。このような状況において、弊社はユーザの同意を得た場合または法的義務を負う場合(ユーザまたはその他の個人の安全を守る必要がある場合を含む)にのみ、ユーザのアカウント内のコンテンツを閲覧することがあります。

Xserver

クラウドストレージサービスではありませんが、ホスティングの利用規約についても調べてみました。

https://www.xserver.ne.jp/rule/rule.php

第5条 利用申し込みの取り消し
本契約の申込み後、利用者が以下の各号のいずれかに該当することが判明した場合、弊社は何らの通知、催告することなく、本契約を解除するとともに利用者の登録したデータ等をサーバから削除することができるものとします。
利用者が以下の各号のいずれかに該当し、それにより、弊社または第三者が損害を被った場合、利用者は弊社または第三者に対して、弊社または第三者が被った損害を賠償するものとします。

(1)弊社の指定する通りに利用の申込みの手続きを行わなかった場合
(以下略)

Mega

このブログを見るような方でお使いの方はあまりいないと思いますが、(悪い意味で)有名なMega。
https://mega.nz/takedown

Objectionable Material – Child Exploitation Material, Violent Extremism, Bestiality, Zoophilia, Gore, Malware, Hacked/Stolen Data, Passwords

Mega does not condone, authorise, support or facilitate the storage or sharing of Child Exploitation Material (CEM), also known as Child Sexual Abuse Material (CSAM) or other objectionable material as defined in section 3 of the Films, Videos, and Publications Classification Act 1993 or other internet-harming material. Mega will take down or disable access to such material, close the user’s account and provide account details and other data to the appropriate authorities as it sees fit.

Google翻訳:
不快な資料-児童搾取資料、暴力的な過激主義、獣姦、動物愛好家、ゴア、マルウェア、ハッキング/盗難されたデータ、パスワード

Megaは、映画、ビデオ、および出版物分類のセクション3で定義されている児童性的虐待資料(CSAM)またはその他の好ましくない資料としても知られる児童搾取資料(CEM)の保管または共有を容認、承認、サポート、または促進しません1993年法律またはその他のインターネット損害資料。 Megaは、そのような素材へのアクセスを停止または無効にし、ユーザーのアカウントを閉鎖し、アカウントの詳細およびその他のデータを適切な当局に提供します。

まとめ

どのサービスもざっくりとまとめると

・利用規約に違反した場合はアカウントの停止や削除を行う。
・犯罪に関するファイルは検閲・削除を行う。

という規約になっていました。検閲を明言しているかどうかはサービスによります。
でしょうね、という結果です。

個人的な感想

ギガファイル便については宅ふぁいる便のやらかしで急に注目を浴びてしまったため、ふんわりと書いていた運営会社や規約の項目にダメ出しが入ってしまったということではないかと思います。利用者も急増して大変なのではないかと思います。

私なら秘匿性の高いファイルのやり取りはどうするだろう…借りているホスティングサーバーにUPしてDLしてもらう、かな?
こういう方法でやってます、というのがあれば教えてください。

現代の法律では所持しているだけでアウトなファイルも存在します。そのようなファイルを一時的にとはいえサーバーにアップロードされた場合、サーバー管理者が違法ファイル所持者である容疑をかけられ、社会的制裁を受ける可能性は十分にあります。特にここ日本では…。

エンドユーザーからすればファイルの扱いに不安があるような規約かもしれませんが、運営者の身を守るため、サービスを存続させるための盾であるともいえますので、ユーザーファイルの閲覧・削除を認めさせる規約は仕方がないのではないかと思います。

もっとも、著作権・所有権の譲渡まで認めさせるような文面であったのなら(さすがにクラウドストレージサービスではありえないと思いますが)使用は控えたほうがいいでしょう。

ご利用は計画的に。

余談ですが、私はDropboxの有料プラン(1TB)を愛用しています。

ADs

Post Comments

メールアドレスが公開されることはありません。

Comments

コメントはまだありません。